家の通気をよくすることは、家や住む人の寿命や健康維持に深く関わっています。
特に最近の住宅は気密性を高め、暖房、冷房の効率を上げる傾向にあります。
そのため、常に空気が淀みやすい状態になっていることもあるのです。
日本古来の住宅は、その点、空気が常に入れ替わるように作られています。
湿度の高さが特徴的な日本の気候には適している建て方かも知れませんが、当然、温度調節の効率は良くないのです。
では断熱、遮熱効率を保ったまま、通気を確保することで、欠点を改善する方法を考えましょう。
まず家を簡略化して想像しましょう。
一番シンプルな立体、箱を家とします。
ここには窓が一つあるとしましょう。
その窓を全開しても、決して通気が良くなるとはいえない、と言うことはイメージできるでしょうか。
窓が一つだと空気がうまく入れ替わらないのは、こういう仕組みです。
箱の中に外気を入れるためには、既に入っている内気を出さなければなりません。
そのため、一方の窓の向かい側にもう一つ窓を設けることで、空気の流れる道を作ってあげるのです。
空気の入り口と出口をつくる、それだけの工夫で、うまくすれば自然に空気が流れ出します。
これが自然換気です。